『ロケットガール』の同人誌と『南極点のピアピア動画』

2012-04-03   treby   ポエム  , このエントリーをはてなブックマークに追加

「東京で遊ぶ、となったときに秋葉原以外の選択肢が出てこない人こそ真のオタだ」と誰か言っていた気がしますが、その判断基準に照らし合わせると正真正銘オタクなまどろみです。しかしまあ、私にとって東京に来たとき秋葉原以外の目的地を探すのって割と難しいです。舞台訪問や観光の目的があれば良いのですが。

おなじみCROSSO端末。

しかも体力的にアキバをずっと歩き回れるはずもないのでカラオケで時間を潰すのが基本となってきています。余所に来てまでカラオケかよ、という感がぬぐえない気もしますが他にあてがあるわけでもありません。

それで今回も例にもれず個室で一人、ボカロ曲を歌ったり、ネットサーフィンをしたりして空き時間を潰しているところに見つけた「同人誌「ロケットガールがおしえてくれる宇宙船のひみつ」 宇宙船の仕組みと歴史」という記事。

専売の同人誌を求めて、何気に初めて行きました。

これは買いに行くしかないとカラオケを出て向かったCOMIC ZIN 秋葉原店。アキバで時間を潰しているとフットワークが軽いからいいですね。

フルカラーでイラストのクオリティも高く、値段もお手頃。いい感じです。

ぱらぱらっと拝見する感じだとイラストもかわいらしく、良くできています。

ちなみにロケットガールはSF作家、野尻抱介先生の作品です。先生はニコニコ界隈では尻Pとして有名で、NT京都にもいらっしゃっていたようです。確か静電気発生装置のデモをされていたように記憶しています。また、ニコニコ学会の時には私が発表したセッションの審査員もされていました。

先生は最近、『南極点のピアピア動画』という本を出されています。

野尻抱介先生の新作。実在の人物や出来事がモデルとなっている部分も多くそれらに対する予備知識があるとさらに楽しめる作品。うちの研究室の教授も読んだ、と仰ってた。
Amazon.co.jp:南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

この本には次の4篇が収録されています。ストーリーは各話で一応完結していますが、全く独立しているわけではなく、前の話であった出来事が前提で物語が展開していきます。

  • 南極点のピアピア動画
  • コンビニエンスなピアピア動画
  • 歌う潜水艦とピアピア動画
  • 星間文明とピアピア動画

それ故、作中の時系列も『南極点の~』に始まり、『星間文明と~』に終わるという順番です。短編集というよりは、むしろ全体を通して一つの物語を構成する形となっています。終わりに近づくにつれてどんどん話のスケールが大きくなるところあたりは流石はSFというところでしょうか。

現実でいうところのニコ技から話が大きくなっていく展開は、最近ニコ技に絡ませていただいている一人としてもわくわくして面白かったです。それでなくてもピアピア動画→ニコニコ動画、山上会長→川上会長、小隅レイ→初音ミクというようなネタが仕込まれていますので、予備知識があるとさらに楽しめるのではないでしょうか。ちなみに表紙に描かれているのは「あーや」というキャラで、正確には「小隅レイ」とは違うようです。ルックスはもろミクさんですが。

余談ですが、「Amazonにおすすめされて購入した」と仰っていた研究室の先生も絶賛されていました。というか教授、普段Amazonで何みてるんすかw

先の同人誌の発行時期は、奥付によると2010年となっています。今になって書店に並ぶということは、もしかしたら野尻先生の新作が出たタイミングに合わせて委託されたのかもしれませんね。