3D FABに力を入れている「しぶや図工室」が熱い
博多図工室のように、渋谷にも「しぶや図工室」なるものがあります。
が、元々しぶや図工室はCampfire(クラウドファンディング)を通じてできたという経緯もあって、2月のオープン以降、出資者向けにしかイベントを開催しておらず、私では見学することができない状況でした。
そんな折に、誰でも参加できるミニツアーが開催されるとの情報を手に入れたので、早速本日、仕事帰りにちょこっとお邪魔してまいりました。
場所は「ten-to」(コワーキングスペース)内
しぶや図工室は渋谷駅から程よく近いビルの2階の、シェアオフィス内にありました。
今日のミニツアーの参加者は私を含めて全部で8名。最初にスタッフの方の紹介をされた後、ミニツアーの説明がありました。
30分という短時間の内訳は、まず「しぶや図工室」の紹介をした後、実際に装置のデモをし、最後に総括するとのことです。
コンセプトは「3D」
博多図工室が自炊、3Dプリンタ、はんだ付けにレーザーカッターと工作なんでもござれだったなのに対して、しぶや図工室では主に3Dプリンタや3Dスキャナを取り扱っている感じでした。
かつては高額だった3Dプリンタも、最近では10万円程度で簡単に手に入るようになってきました。いずれは誰もが3Dプリンタを使うようになるでしょう。
3Dプリンタを利用する上で大事なのは何よりも出力するデータです。しかしながら、現状ほとんどの人は出力データ、つまり3Dモデルの取り扱い方を知りません。3Dプリンタが手ごろになっても、使えないのであれば意味がありません。
そこで3Dプリンタが普及したときに、みんなが出力データを自在に取り扱えるようになっているようにしたい、という思いがしぶや図工室にはあるそうです。丁度小学校の図工室のように道具の使い方を学べる場所、という位置づけとのことでした。
高価な機器をシェアする場
3Dモデラが約300万円に3Dプリンタが数百万円、3Dスキャナがハンディタイプのもので約200万円、カメラ固定タイプのもので約1,000万円と、とてもじゃないですが個人で持てる価格ではありません。
ただ、3Dプリンタの場合は安いもので10万円程度と個人でも十分に手が届くようになってきています。
各人ができることは各人でやって、金額的に難しいものはシェアしましょう、というのが基本的な考え方のようです。
ワークショップを通じて多くの人に知ってもらいたい
現在ワークショップとしてはCampfireのパトロン(出資者)向けのものしか行われていないようですが、その後希望者向けにまた同様のワークショップを実施する予定とのことでした。
価格感としては、全部で36,000円を想定しているとのこと。個人的に割高に思えるのですが、これは使っている機器の関係上仕方ないようです。
3Dプリンタの方式別の材料費は大体以下の通りだそうです。ミニツアーで見せていただいたインクジェット方式の場合、ちょっとした看板を作るのにも5,000円程度かかってしまうとか。
造形方式 | 材料形態 | 材料種類 | 1kgあたりの材料費 |
---|---|---|---|
光造形方式 | 液体 | エポキシ (セラミック入りもある) | 約2万円 |
粉末焼結方式 | 紛体 | ナイロン (ガラス入りやアルミ入りもある) ポリスチレンなど | 約1万円 |
インクジェット方式 | 紛体 | 石膏 | 約8000円 |
プロジェクション方式 | 液体 | レジン | 約5万円 |
熱溶解方式 | 個体 | ABS、PLA | 約4000円 |
施設の対象者ですが、「図工室ですので、中学生じゃなく小学生に来ていただきたいですね」とのことで、バリバリ3Dプリンタに詳しい方というよりはむしろ3Dプリンタなどに少し興味を持たれている方にこそ利用してもらいたいようでした。
ともあれ、ミニツアーであれば無料で参加できますし、短い時間ながら3Dスキャナや3Dプリンタの原理や工夫についての理解も深められます。興味のある方、おすすめですよ。