なれる!SE4 -誰でもできる?プロジェクト管理-

2011-08-10   treby   ラノベ  , , , , このエントリーをはてなブックマークに追加

右はゲマズ特典

誰でもできねーよ(心のツッコミ)……プロジェクト管理、難しいですね。実は単純なことを複雑にしている可能性もありますが、今の時点では分かりません。作品は面白かったです。

まさかの橋本課長レギュラーキャラ化でびっくりです。宮崎地鶏、おいしいですよね。私の友人も宮崎県人です。どげんでもよかですね。挿絵のイメージですが、カナちゃんはどことなく田舎っ子ぽい感じでしたね。別府さんの逃亡した原因(流れ)が腑に落ちないのと、初見の印象とは異なり恐怖政治をしている悪役にされたりして彼がちょっと可哀そうかな、とは思いました。工兵君にPMをさせるためのかませ犬にされた感じで。

桜坂君、同期とは思えない超人っぷりです。本作品は他のスーパーマン(立華、梢)が大人しかったのもあってその活躍は際立っていました。でも3巻みたいな強引さは感じられず、丁度良い落とし方だったんじゃないかと思います。

立華さんのキレもいい感じに戻ってきており(個人的印象)、5巻以降の展開が気になるところです。というかよく考えたら梢さん、今回ビールに睡眠薬しか入れてねぇw(誤解のある言い方)

この作品を読んでいると徹夜することは美のように思えますが、少なくとも私の場合は一徹した時点でダメです。昼過ぎには10%の能力しか発揮できません。てかダウンします。一応朝5時くらいにピークが来るんですけどね。睡眠は大事ですよ。

きっと『なE』は徹夜の訓練を受けている特殊な方々が出演されているんだと思います。ええ。それとも徹夜できる男はモテるのか、そうなのか工兵君!裏山死刑だぜ!

以下、完全な私事です。半ば愚痴です。

4月から7月までの間、まさにプロジェクト管理というものを経験しました。というより、プロジェクトマネジメントを勉強するために今のコースに進学したようなものです。 その演習はPMOを立てたり、きちんとプロジェクトの企画からテストまでやったりします。何より今までやりたくてもできなかった複数人でのプロジェクトを体験できることが私には魅力的だったのです。

このような動機もあり、年度明けの時点で私のモチベーションは高かった方だと思います。一人では越えられなかった壁も、複数人で挑めば紆余曲折こそあれど越えられるものだろうと見込んでいました。複数人の作業で1足す1は、2になりません。それを如何に2に近づけていくか。その方法論に強い興味がありました。

結論から言うと、プロジェクト終結の頃にはやる気を失っていました。得られたものは正直ほとんどありません。強いていうならば、理想を並べてきれいごとしか言っていなかった自分に気づけたことが成果でしょうか。

私のやる気を削いだ原因は主に二点、PMO(≒コースのオフィス)への不信感と目的のあいまい化です。実施するテーマは上から与えられる教育用。大学内でやる以上、失敗すると大変なことになるということはありません。ならばテーマから学生主体で決めさせてくれれば良いのに、実質的に教育用のテーマを行うほかにありませんでした。

曰く、「最初はプロジェクトの基本を勉強してもらうのが目的」とかで、その理念自体には筋が通っています。が、その割に体系だった手法は指示されず、各フェーズごとに紹介されるツールも教科書から引っ張ってきたような代物でした。グダグダです。

このオフィスの姿勢を私は「学生自身で勉強しろ」ということだと理解し、独自にプロジェクト管理法を勉強し、それを応用しようと試みました。しかし、ようやく形にできそうなところでオフィスからこの項目は絶対に提出せよ、との指示が入ったりします。滅茶苦茶です。さすがにテストフェーズに入ってからC0、C1カバレッジがどうのとか、急な要求が入ったのは参りました。最初に言ってほしかったです。

学生といっても様々な背景を持った方々の集まりなので、このPMO側の姿勢はプロジェクトチームに混乱を招きます。それまで一チームとしてまとまりかけていたのに、オフィスからの干渉が入ることによりチームは大きくぶれます。特にこれまでシステム開発をされたことのない方などはオフィスのいうことを真に受けてしまいます。学生の主体性だとか自律エンジンがどうのとかいう一方でまだ学生だからとか「学び」がどうのとか説くのは、どこか矛盾しています。

PMOも一枚岩ではないことは理解しているつもりですが、それにしても一貫性がなさすぎです。都合の良い時に主張を変えているようにしか見えませんでした。まずその気持ちがPMOへの不信へと変わっていきましたね。

『定型チェック機能しかもたないPMOは害悪、廃止しろ』

私たちのケースではむしろ混乱しか招いていませんでしたね。何がしたいんだ、まったく……。……と、書いていて気づいたんですが「サーバ」「ツール」「クライアント」の分類でいうと自分は「クライアント」タイプっぽいですね。カナちゃんと一緒だべ。

次に二点目、目的のあいまい化ですけれども、ある点では前述の話に通じるところがあります。すなわちPMOに翻弄されているうちに、何がしたいのか分からなくなっていくのです。

個人的に、目的があってプロジェクト管理の必要が出てくるものだと考えています。それが、「あれをしろ、これをしろ」と言われたり、変に放置されたりしている内にPMO会議に出席することやドキュメントを提出すること、つまりプロジェクト管理が目的になっていくのです。

しかも衝撃なのは、PMOが評価は成果物でなくどれだけ学んだかに重点を置く、と言い出したことです。何のためにプロジェクトやってるの?私はもはや分からなくなってしまいました。そんなこんなしている内に一人、また一人とプロジェクトに対する関心を失っていきます。ほかならぬ私もその中の一人でした。誰もが関心を失ったプロジェクトが上手くいきますか?

言うまでもありません。藤崎さんはプロジェクト管理について「みんなが気持ちよく仕事できるようにすること」といいました。きっとみんな心の奥では分かっているんだと思います。

みんなそれを望んでいるはずなのに、上手くいかない。

その意味で、前期のプロジェクトは興味深い経験ではありました。マネジメント(管理)とクリエイト(創造)って割と遠い位置にあると思うんです。想像力って管理したところでそうそう生まれてくるものでないし(阻害こそしても)、管理しないプロジェクトにメリハリや一貫性がなくなるのは明らかです。人は独創的なものを作れと言います。一方でちゃんとしたドキュメントを求めます。

どちらも正しいし、どちらかに偏りすぎたところで良いものはできないのでしょう。きっと両者のちょうどいい塩梅を見つけていくことが、これからの課題になるんでしょうね。いっそ立華先輩ぽく一人でガリガリ進んでやりましょうか。