なれる!SE7 -目からウロコの?客先常駐術-

2012-08-16   treby   ラノベ  , , , このエントリーをはてなブックマークに追加

『なれる!SE』7巻
Amazon.co.jp:なれる! SE7 目からうろこの?客先常駐術 (電撃文庫)

発売日が夏コミと被るなんて速攻レビューが無理ゲーすぎますよ先輩……と、とにかく読了しました。本は秋葉原のとらさんで入手しました。

『なれる!SE』は公式サイトもオープンしたそうでどんどん熱くなってきましたね。シリーズ当初から愛読している身としては嬉しい限りですの。

本作も7巻になって、過去に例をみないくらいドロドロした内容となっております。ネタは当初1巻用として考えられていたのもあってか、とても面白いです。疲れていてもテンポ良く読めます。ドロドロしてますがw

メインではありませんが、きちんと梢さん、橋本課長、カナちゃん登場させるあたり作者様の意識の高さを感じます。梢さんはともあれ、橋本課長にカナちゃん、ちょい役じゃなかったんですね。

ラストを次巻を期待させるように終わらせるのも本シリーズでは初めてのことですよね。この手法(俺妹とか狼とか私が読んだことのある)電撃文庫では5巻を数えたあたりでよく見る気がするのですが、編集さんに指示されたりするのでしょうか。

感想

今回のお話は客先常駐。「セキュリティーがー」云々はインターンシップでCEルームに行ったときに体験しました(それでも私物は没収されなかったような気がする)。PCを会社から持ち出させてくれないんですよね。他にも官公庁系だとUSBメモリなどの持ち込みも禁止だと働いている友人が言っておりました。まあ、いずれもセキュリティ対策として考えるならば至極自然なことですよね。仕方ないです。

基本的には「あるある」ネタを詰め込んだような感じで、技術的に難しい用語はさほど出てきませんでした。だからサクサクと読めたのかもしれません。もちろん、使用するツールやネットワークなどインフラ系の専門知識がないと意味不明なところも多いですが。

ストーリーを起承転結で整理すると、起:客先常駐決まる・テンション上がる、承:常駐先で理不尽な目に遭う・忙殺される、転:立華倒れる・貝塚の正体知る、結:常駐先からの脱出・裏に潜んだ政治の解説、といったところでしょうか。なるほど上手くできています。

政治が云々の話については、(ラノベでなく)別に普通の小説を読めばいくらでも出てくる話なので特筆すべき部分はないですね(私の好きな白石一文先生の作品とか)。『なれる!SE』の一般小説と違う部分は、「超越した能力を持った美少女キャラ・藤崎さんがいる」、「普段の登場人物のかけあいがギャグ調である」、「最後には主人公側に有利な展開になる」ことだと思います。だからヘビーな思惑が裏にあってもリズミカルに読むことができるのでしょう。

本作も楽しんで読ませてもらいました。ありがとうございました。