なれる!SE 苗字元ネタ巡り~七隈線編~
導入
前回、空港線に乗って姪浜から藤崎まで行きましたが、今回は七隈線に乗るために一旦、天神駅まで戻ります。天神が、七隈線始発の天神南駅の最寄となっているためです。
で、天神駅から地下街を使って天神南駅まで移動することになるのですが。天神南駅まで案内に従い歩いて、歩いて、あるいて……って遠いわっ!
所要時間は成人男性の足で10分弱でしたが、体感的にはもっとある気がしました。天神地下街の人ごみを通り抜ける所為でしょうか。
まあ、天神-天神南の乗り換えが大変というのは地元じゃ割と有名みたいですけどね……公式の時刻表ですら両者の間を心なし離してあるので、別の駅だと思った方がいいのかも。
余談ですが箱崎線には天神のお隣、中洲川端からの乗り換えになります。こちらは中洲川端駅でのホームの階が違うだけですんなりと乗り換えることができます。貝塚(箱崎線始発)―姪浜の電車もありますし、こちらは割とアクセス良好です。繰り返しになりますが、福岡市地下鉄は空港線、七隈線とこの箱崎線を合わせた三路線からなります。
そんなこんなで、やっとの思いで天神南駅に到着しました。
普段七隈線を利用しない(利用機会がない)自分ですが天神南駅、七隈線各駅の近未来チックな雰囲気に感銘を受けました。全体的にきれいだし、各駅の落ち着いた照明に七隈線カラーが映えていました。
クラシック音楽や小鳥のさえずりを模したようなBGMに、空港線とは違った発車ベル。些細なところにも工夫が施されており、駅の環境に対する強い芸術意識を垣間見ることができました。調べてみたら2005年に開業した線なのだそうで、やはりデザインにも相当の配慮がなされているようです。
そんな七隈線用の電車はこちら。
福岡市交通局の3000系と呼ばれる型の電車で、確か友人が言うには東京地下鉄10000系電車(副都心線)を一回り小さくしたようなものだとか。
車内と運転席はこんな感じ。工業デザインと言いますか、ある種の美学を見出すことが出来ました。
前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ訪問を始めます。空港線編ではまず西に向かいましたが、七隈線編では天神南駅から南寄りの西に向かって終着駅まで向かいます。終点までの所要時間は約25分です。
橋本
- シンボルマーク:「紅葉八幡宮」があったことから、飯盛山にモミジを組み合わせて。
- イメージカラー:橙色(あざやかな黄赤)
- なEキャラデータ
橋本課長:
3巻でのクライアントである業平(なりひら)産業の担当者。
接待などを嫌う厳格で高潔、クールなキャリアウーマン。
というわけで、七隈線終着駅の橋本です。橋本課長といえば業平産業のRFP担当者ですね。一見して超しーきび(鈴木大明神語)なんだけど実は……という今まで「なE」になかったキャラでしたが果たして評判はどうだったんでしょう。突き詰めていけばいろいろ出てきそうなキャラクターではありますが、正直、外部の人なので今後物語に絡めるのは難しいんじゃないかと思います。
梅林といい、考えてみると3巻には後の巻で出しづらそうな新出キャラが多かった気がします。
福岡市地下鉄駅名縛りで行くなら、苗字らしい駅名の残りは赤坂、茶山、金山、七隈くらいですからね。意外となEはちゃっちゃと終わるのかもしれません。
私が3巻の中で評価しているというか、身につまされた気がしたのが話の転にあたる箇所で明かされる橋本課長の過去のエピソードです。
自分自身が人情だとか超法規的措置だとかそういうものを重んじる性格なので橋本課長の体験が他人事だと思えなかったのです。相手に甘えすぎて、いつの間にか自分の都合ばかりで無理を押していないか公平性は保たれているか、人間ですからわがままが出ることもあります。
親しき仲にも礼儀あり、ということを肝に銘じておきたいなぁ、と。
橋本駅の外観と周辺の様子はこんな感じです。あたりは基本的に住宅街のようですが、徒歩圏内に橋本車両基地や橋本八幡宮があり、さらには室見川もすぐ隣に流れているようです。
次は、橋本駅から4駅の梅林です。
梅林
- シンボルマーク:駅名の「梅林」を梅の花とつぼみでデザイン。
- イメージカラー:桃色(明るい紫みの赤)
- なEキャラデータ
梅林:
JT&Wの社員。色が白く福々しい顔立ちで、銀縁眼鏡をかけている。童顔。3巻に登場。
なEで登場し、かつ苗字の割り当てられているキャラは大体、主人公の身内だったり理解者だったりといわゆる良い人が多いのですが、梅林はその中で珍しく敵役として登場します。
その出で立ちや主人公サイドに対するなめたような本音は大企業に勤める「良いところの坊ちゃん」をイメージされたのでしょうか。……何とも合点の行かない設定・行動のキャラでした。
「自分じゃ何も手を動かさないくせに配下のベンダーやSIerに文句だけは言い続ける、寄生虫のような存在」
「何が世界有数のソリューションプロバイダよ。単なる人売りの総元締めじゃない」
という風に立華がJT&Wをディスっている場面が多々あるのですが、実際のところはどうなのでしょうか。いや、名前の元ネタはあれど、その内情はフィクションだということは分かっています。子請け、孫請けという多重派遣の話(?)もブラック企業の裏の実態として小耳に挟んだことはあります。
気になるのは一般論として、そのような会社は一流企業になれるのでしょうか。こればかりは、本職の方とお酒を酌み交わしながら伺ってみないことには分かりません。もしかしたらまだ知らない世界があるのかもしれませんしね。
さて、梅林駅の外観と近辺風景はこんな感じです。駅の真横に梅林中学校なる中学校が位置しているんですね。私も福岡市の中学出身ですが、校舎の雰囲気の変わらなさに「そんなものなのか」と一人妙に納得してしまいました。
また、東北に向かって歩けばすぐに福岡大学にたどり着けるようです。もっとも福大に御用の方は、梅林でなく隣の福大前駅を利用されるでしょうが。
次はさらに天神方面に6駅の六本松です。
六本松
- シンボルマーク:古くから交通の要衝として目印であった「松の木」を、六本の枝葉で表現。
- イメージカラー:深緑(青みの緑)
- なEキャラデータ
六本松健造:
工兵の勤めるスルガシステムの社長兼、唯一の営業担当。
小柄で短足。頭だけがやたらと大きい。初登場は1巻。
ザ・理不尽、スルガシステムの六本松社長です。六本松という名前は登場時から分かっていましたが、3巻で六本松健造というフルネームが明らかになりました。
登場時はただただ理不尽な絶対権力役的意味合いが強かったのが3巻冒頭で若かりし頃の社長のエピソードが語られ、彼もまたエンジニアだということが分かります。元々作中にはそこまで絡んでこないキャラではありますが(掴みで少し出てくるくらい)、少し社長の株が上がった瞬間でした。というかこういうキャラでしたっけ?
駅外観と近辺はこんな感じ。六本松と桜坂は駅が隣同士なので、二度目(1/15)に訪れた時にふとここから歩いて桜坂まで行こうと思い立ちました。
基本的には大通りに沿って行くだけなのですが、注意したいのが途中の分岐点。
超ローカルな話にはなりますが、最初国道202号線方面に進んでいたんですね。護国神社の表示が見えたあたりから何かおかしいと気づき引き返しましたがあのまま進んでいたら徒歩で天神南駅まで向かうことになっていました。危ない危ない。
目安はローソン。あそこを右に折れなければなりません。まあ、迷ったことでいい運動になったんじゃないかと。
そんなこんなで20分そこら、ようやっと桜坂駅に到着しました。
桜坂
- シンボルマーク:駅名と南公園や周辺の桜が、風に舞う様子を表現。
- イメージカラー:桃色(明るい紫みの赤)
- なEキャラデータ
桜坂工兵:
厳しい就職活動の末、知識もスキルもない業種である
システム開発会社に就職した社会人一年生。主人公。
ラストは主人公。桜坂工兵君の元ネタです。年下呼称を使ってみましたが年齢的には現段階で自分と同期くらいじゃないかな。
就活描写は共感を覚えるどころか、まさにオレ自身のことだったのですが、この主人公、巻を増すごとに能力補正がひどくなっている気がするのです。
立華に「桜坂は藤崎さんタイプじゃなくて社長タイプ」と評されているように、もともとそういう才能があるようではあります。しかし例え先天的に営業的な能力を持っていたとしても状況だとか競合相手だとかに恵まれ過ぎだろー、絶対。
なまじ最初が自分と瓜二つの状況・行動だったために自分の中に「桜坂はこうあるべき」という像ができちゃってるみたいです。良くないですね。
まとめ
なE苗字元ネタ巡りは以上で全部になります。自己満足の意味合いの強い探索でしたが、やってみるとなかなかに面白いですよ。
ちなみに各駅毎に用意されている駅周辺MAPは券売機付近においてあるか、なければ改札横の事務室にて求めれば無料で手に入れることができます。駅時刻表も同様です。私の場合、藤崎駅では在庫が切れたとかで白黒印刷のコピーを渡されました。連絡バスセンターの地下ということで求められる方が多いのでしょうね。
おまけ
執筆現在、WikipediaのなEページには、カモメさんの元ネタは賀茂駅じゃないの?と書かれているのですが個人的には流石にこじつけな感が否めない気がします。
と、言いながらも行ってみたのは行ってみたんですけどね。
カモメさんもいろいろ万能ですよね。ある方面でのネタキャラではありますが、その立ち居振る舞いからは最近のアニメ、『侵略!イカ娘』の千鶴に通ずるものを感じます。まあ、外見はあずささんだけどね。もちろんCVはたかはし智秋さんで。
福岡市地下鉄駅名縛りからは外れてしまいますが、福岡人的にはカモメといえば博多-長崎間の特急、かもめを連想しますね。
これは特急の名前が「かもめ」であって車両の名前は違うのかな?良く分かりません。教えて詳しい人。