なれる!SE6 -楽々実践?サイドビジネス-
出ました、最新刊。お店に電話したら電撃文庫最新刊は12日入荷ってんで即行、買ってきました。東京都九州市(最近よく行く機会があるせいか東京在住の人に言われた)に住んでいても新刊入荷の遅延ばかりはどうしようもないでござる。
で、今回は中短編集とのことで以下の5編が収録されています。
- 楽々実践?サイドビジネス(142ページ)
- 今すぐ始める?検証作業(42ページ)
- 絶対合格?採用面接(62ページ)
- 心に残る?3分間スピーチ(24ページ)
- 完全?禁酒マニュアル(25ページ)
てっきり、週刊アスキーに収録されていた分の再録かと思っていたんですが、そうじゃなかったみたいですね。
ではいつものように、ネタバレを含む感想は続きから。
感想(ネタバレ注意)
各小話に分けて一言二言、書いてみます。
楽々実践?サイドビジネス
天才エンジニアといえば、スティーブ・ジョブズというよりはスティーブ・ウォズニアック?(作中の素人相手にてけとーなツッコミ)
「西新さんキタ!」と思ったらまさかの展開でしたね。実際の西新駅は西に行くにしても東に行くにしても便が良くて、学生や教授とかそこそこ住まわれているようですよ。私も実家方面(東区)に帰るときは乗り換えで良く利用しています(どうでもいい情報)。5巻ではデータセンターがある場所として地名自体も登場していましたね、確か。
その西新さんのキャラとしての描写ですが、ラノベにしては珍しく妙にリアルでしたな。てか主人公以外の男性キャラ(江口洋介)が絡むだけでこんなにも面倒なものになるとは、こういうのがあるから3次元は嫌なんです(現実逃避)。もっとも、西新さんの場合、自ら策略破綻のきっかけを作ってくれたため物語的には「ざまぁ」できるのですが。リアルは高い確率で泣き寝入りですよね……。
6巻まで数多くの経験から立華ちゃんに従っていれば間違いない!という結論に至るのが当然の流れな気がしますが、未だ工兵君が彼女のことを「鬼軍曹」視しているのは、お約束というやつでしょうか(まあ、『24-twenty four-』的にはそういうキャラにジャック・バウアーが平気で裏切られたりする訳だけれども)。
個人的に共感したのが以下の一節。
凄まじいアウェイ感だった。周りの盛り上がりに反比例しテンションがダダ下がりになっていく。たとえるならあれだ。模試でE判定を食らったあと推薦合格組の打ち上げに呼び出された気分。えー、自分本当にここにいていいんですか?ていうかむしろ帰っていいですか?みたいな。
最近結構高い頻度でこんな状況に陥っている気がします。いや、私の場合「自分から」新しいコミュニティに飛び込んで行っているんでこのケースとは訳が違うのかもですが。私の周りだけかもしれませんが、こうなるのが分かっているから新しいところに飛び込むのを嫌がる人が多いのかもしれませんね……。
今すぐ始める?検証作業
先のお話もベンチャー会社が絡んでいましたが、こちらもベンチャーな感じの企業さんが出てくるお話でした。
この話から得られる教訓は「多く使われるのにはそれなりの理由がある」、ということですね。ハイ。まあ今回の話だとともすれば「ベンチャーはいけない」のように取れてしまいますが、結果的に品質が低かったらベンチャーだろうが大企業だろうが論外なわけです。ただ、使う前だとそれが分からないから、実績やブランドがあるところのほうが大丈夫な確率が高いというだけで。
むぅ、この辺は本当にデリケートですね。一般論的なものはありますが、大企業だとこうだーとか、ベンチャーだとこうだーとか全部を全部、記号化して語れるわけでもなしに。どう結論付けても否定された側に所属する方はいい気分しないでしょうしね。世の中の不幸は、それでも何かを記号化して、比較して、それでもって競争しなきゃならないことなのかもしれません。
絶対合格?採用面接
てっきりその場でコード書かせたりするのかな、とか思ったらそうじゃなかった件。何か新卒の面接っぽいと感じたのは内緒。よく考えれば工兵君たちインフラ寄りですしね。インフラ的には何がネタになるんだろう、インフラエンジニア双六を一緒にやって止まったマス目の語句を説明させるとか?光景を想像するとシュールですな。
余談ですがプログラマ的には一時期Fizz Buzzのコードを書かせるのが流行ったようで、自分も過去面接で「Fizz Buzzって知ってる?」と問われたことがあります。あとはデザインパターンとか専門用語とかを聞かれますが、基本「知ってて当然だよねー」な雰囲気なので正直怖いです。これら用語とかもプログラマ志望の方は要チェックだぜ(私はあんまり答えられず泣いて帰ってきました)。
噂によると転職の面接でもそういうの聞かれたりするらしいですよ。「IT業界だと2度3度転職するのが当たり前」だなんて聞いておりましたが、なんだかんだで転職も簡単ではないようです。
心に残る?3分間スピーチ
橋本さんって29歳なんだ、へぇ。文月ってことは7月生まれなのかな。あと姐さん、巻頭カラーイラストと文章描写がかみ合ってないよ!
完全?禁酒マニュアル
これもエンジニアリングとは関係ないお話。お酒は楽しくほどほどに。お酒は飲んでも飲まれるな。
余談
私事ですが、ここ数か月PCに向き合ってばかりで作業効率が落ちていたんですね。これはいろいろよろしくない、というわけで今回は趣向を変えてお外で読書して気持ちをリフレッシュしてみることにしました。
……まあ、実際には冬の海風に手がかじかみまくってすぐ家に引っこんじゃったんですけどね。しかしたまにはハイテクから離れて気分転換したほうが良いのも確か。なにか良い方法はないものでしょうか。