ICカード免許証
運転免許更新のタイミングでセンターに端末が置いてあったので試してみました。IC免許証の読み取り。前の更新(2009年1月)の時からIC免許証だったんですが、福岡県においてはまだ切り替わったばかりの時期だったからかこういう読み取り機を見かけることはなかったんですね。
IC運転免許証ってNFC的にはTypeB(ISO/IEC 14443 TypeB)、あるいはNFC-IP2(ISO/IEC 21481)なことで知られているわけですが、実際どんな情報が入ってるのよ?と疑問だったので良い機会だったのかも。
早速端末にかざすと、4ケタの数字のペア(計8つの数字)を入力する画面に切り替わります。そいつを入れるとこんな画面に。
顔写真はモノクロなんですね。まあ、データ容量食いますしの。
いろいろさくっと調査
まあ、ここで止めておいても良かったのですが、せっかくなので具体的な容量とかって分からないのかな、と調べてみました。「本籍地の記載が消えたIC運転免許証を取得して思ったこと – 日経エレクトロニクス – Tech-On!」によると
Webで調べたところ,従来の0.5mmから0.76mmになったそうである。メモリ容量は8Kバイトで,その内訳はOSが2Kバイト,記載事項が4Kバイト,顔写真が2Kバイト。電磁的記録へのアクセス権限は,読み出しの場合は公安委員会と免許保有者,追記の場合は公安委員会である。
というありました。もう少し調べてみると、「IC運転免許証 | マーケット情報 | エンプラネット」にICチップとアンテナが内蔵され、ICチップの容量は8KB(OSが2KB、記載事項は4KB、顔写真が2KB)。
という記述が見えます。これがソースなのでしょうか。
まあ、愛知県警のWebサイトにも、
運転免許証内に、容量8KBのICチップを内蔵し、免許記載の個人情報をICチップに電磁記録されたもので、RSA暗号(公開鍵暗号方式)を用いた電子署名がなされ、ICチップの記録内容を読むためには、暗証番号の入力が必要です。
てな感じで容量8KB
と明記されていますので、ICカード免許証はOS 2KB、記載事項 4KB、顔写真 2KBの計8KBのチップを搭載しているということでここでは結論付けることにします。
ICカード免許証の中身を読み取るアプリを発見
余談です。調査の過程でIC SFCard Fanというページにたどり着きました。このページには「Driving licence card Viewer」っていうIC運転免許証の情報を手元のPaSoRiなんかで表示できるアプリが公開されています。
個人的に面白いと思ったのはこのアプリ、読み取りに必要な暗証番号はペアになっているうちの片方(1組目の4ケタ:暗証番号1)だけでいいんですね。その代わり、本籍や写真などの読み取りには対応していないようですが。つまり、読み取る情報によって必要とされる暗証番号が違ってくるということなのでしょうか。
こういったアプリが作れちゃうということは、多分ある程度仕様が公開されているんだろうな、とあたりをつけてみました。すると、上述のアプリ添付のReadMeファイルにこのソフトウエアは、一般に公開されている警察庁交通局運転免許課発行の「ICカード化運転免許証及び運転免許証作成システム等仕様書」(仕様書バージョン番号:003)に基づき作成しています。
の記述を見つけることができました。
その仕様書はどういうものなのかとググる先生に聞いてみました。すると、どうもこの仕様書はバージョンアップされたみたいで現行では『ICカード免許証及び運転免許証作成システム等仕様書』(仕様書バージョン番号:005)(PDF)がそれにあたるみたいでした。
余裕がある方は読まれてみても面白いかも?