なれる!SE9 -ラクして儲かる?サービス開発-

2013-05-16   treby   ラノベ  , , , このエントリーをはてなブックマークに追加

なれる!SE 9巻
なれる!SE (9) ラクして儲かる?サービス開発 (電撃文庫)

劇中ではまだ1年経ってないんですっけ?いくらなんでもいろいろやりすぎですよね工兵くん。

丁度私が今年度の新卒で、4月から1ヵ月半ほど働いているんですが、現時点で既に工兵くんに敵わなくなっています。だって、確か工兵くん入社後1ヵ月半でリドルトリルやっていましたものね。パネェっす。

そんなこんなで私自身のエンジニアとしてのキャリアに不安を覚えつつ、感想というかレビューというか、本シリーズについてはなまじ続いちゃっているがためにちょっとした使命感を持ちつつ記事を書いてみたいと思います。しかしわれながらその動機はどうなんだ。

本シリーズ、専門性をウリにしている作品であるがために、私としてはどうしても設定だとか展開だとかの粗さがしに走ってしまう傾向がございます。もっと立華ちゃんを愛でて、展開を楽しめよという話なのですが、見てしまうのはしょうがないです。

今回でいうとサービスのシーズは良かったかもしれないけれど、その技術要素をベラベラ外部の人間に喋っちゃうのはどうよ?とか、またそれで真似してきた競合がしょぼかったからいいかもしれないけど、LINEに対するcomm的な感じで結構ガチでぶつけられたら終わってたよねーとかでしょうか。スルガシステムさんはあんまり企業体力ないようなので(その割に部署がしっかり分かれてて結構社員さんかかえてるみたいですが)そこそこのところからすばやく同等製品だされていたら負けちゃっていましたよね。

前者に関しましては、ギャグパート以外普段割とシビアな立華ちゃんのポカミス萌えーとなるから宜しいかと思うのですが、後者はAT&Wの時の話や西新さんが出てきた話とかシリーズ通して割と多い気がしてて、どうなのよと感じるところもあります。つまり、明らかにあかんやろレベルの欠点が相手に内包しているのです。さらに端的にいうなら敵に死亡フラグが立っているのですよ。そうやって相手に穴を作ることで主人公側に突破口を用意するあたりが作者様の甘さなのかなという気がしないでもないです。

またこのシリーズ、誰が敵で誰が味方かというのがはっきりしているんですね。橋本さんとか薬院さんとか味方属性のついているキャラは絶対に裏切りませんし、逆に敵役として出てくるキャラクターはこれでもかというほど嫌らしく書かれる傾向があります。私としては、あまりに嫌らしく書かれるものだから敵役のほうを擁護したくなるのです。このあたりは好みの問題もあるでしょうが、個人的には7巻の次郎丸さんと工兵くんくらいの関係性が心地よいです。あるいは『24』のように前シーズンでは味方だったのに~というドロドロした展開も歓迎です。もはや萌えでカバーできないレベルでドロドロになっちゃうでしょうけどね。

今回は立華ちゃんが調子よく言っちゃいけないことを話しちゃったがために一瞬窮地に陥ったのですが、実は過去にも藤崎さんとか工兵くんとか喫茶店とか居酒屋のカウンターとか誰が聞いているか分からない場所でクライアントのサービス名(リドルトリルとかもろに)出していることがあった気がします。現実的には結構危険なことだと思うのですが、スルガシステムではそのあたりはまだ緩いのですかね。今回のお話では結果として大口の案件を成功させているので災い転じて福となせておりますけれども、リスキーであることに変わりはありません。

もっとも、今以上にリアルに描写すると、まったく救いがなくなっちゃうからこれはこれでいいんですかねー。上手くヘッドハンティングされて(作品設定的にはツナ缶なりなんなりに釣られて)、ある日工兵くんが朝来たら立華ちゃん会社辞めてたとか。専門学校生時代の梢さんがバイト先の企業にそのままスーパーマンとして残っててそもそもエンカウントしないとか、嫌ですものね。

『なれる!SE』自体は話をふると「あれ読むと胃が痛くなるから読まないわー」と返される程度の知名度はありますし(私調べ)、次巻以降も楽しみにさせていただきたいと思います。

さてはて、私自身の近況としましては、例のごとくあまり書けないのですが、フロントエンドアプリを開発するよりデータセンターがどうとか、設定書いたりとかSQL書いたりしてたほうが楽しいよねということに気が付き始めました。周りのレベルが高すぎて、血を吐きそうになっている(比喩)のも事実ですが。さてはて明日はどっちだ!